理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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理学療法士・作業療法士の需要と供給について①

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理学療法士・作業療法士は以前から供給過多だと言われてきました。しかしながら,選ばなければ特に就職に困ることも無く,それを実感する機会は今までなかったと思います。そういった状況の中,つい先日,平成31年4月5日に,厚生労働省において,『医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)』が行われました。その会議の中では,現在の理学療法士・作業療法士の需給推計,それを踏まえた今後の方向性が話されました。

医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)

 

需給推計について

供給推計

今回のPT・OTの供給は以下のように計算されました。

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『資料1 理学療法士・作業療法士の需給推計について』より引用

その結果,PT・OTともに,2018〜2040年にかけて右肩上がりに供給が増加していくことが分かりました。PTは2018年で約14万人であったものが,2040年には,30万人を越えることが見込まれています。OTは2018年で約7万人であったものが,2040年には,約10万人を少し越える見込みとなっています。両職種ともに増加傾向ですが,特にPTは顕著に右肩上がりとなっています。

 

需要推計

需要については,計算方法が非常に多いので詳細は上記の厚労省のHPを参照していただきたいのですが,以下の複数の分野での需要を計算しています。

  • 医療分野(入院医療・外来医療・在宅医療)
  • 介護分野(施設・居宅系サービス,在宅サービス)
  • その他(行政・教育・福祉)

その結果を以下に記載します。

①入院医療(2018→2040年で約17%アップ

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②外来・在宅医療(2018→2040年で約76%アップ

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③介護分野(2018→2040年で約52%アップ

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④将来在宅医療等で追加的に対応するPT・OT

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⑤その他の分野(2018→2040年で約112%アップ

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結果を見てみると,全体的に需要は増加していくことが分かりますが,国が最も増加率アップを見込んでいるのは,その他,特に行政分野であることが分かります。この資料の中では,行政分野は,『保健所・市町村保健センター・国・都道府県・市・町・村・社会福祉協議会・身体障害者福祉協議会・地域包括支援センター等』とされています。個人的には,介護分野が最も増えてくると思っていましたが,意外な結果だったなと思います。

 

需給推計

以上の需要・供給から,需給推計を行うのですが,働き方改革を考慮して以下の3つのケースが想定されています。

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その結果が以下のグラフになります。

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この結果を厚労省の資料では,以下のように説明しています。

PT・OTの供給数は、現時点においては、需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.3倍とな る結果となった(PTは約1.4倍、OTは約1.2倍)。 

 現状を考えても,ケース1はありえないので,おそらくケース2が多いのではと思います。そうすると,現段階ですでに若干の供給過多担っていることがこのデータから分かります。2040年時点では,供給数が需要数の約1.3倍という状況になっていると推測されています。

 

まとめ

今回の会議資料の結果では,今後,需要・供給ともに増加していきますが,徐々に供給過多の割合は増加していくことが見込まれています。

ただし,資料ではやや供給量が多いとされている現在においても,PT・OTの求人は多いですし,探せばいくらでも職場は見つかる状況から,現状とはマッチしていない部分もあるとは思います。しかし,今後,需給バランスがどんどん崩れていることは予想されている通りですので,その中で選ばれる理学療法士・作業療法士になるためには,自分が何をしなければならないかをしっかりと考えていく重要性は増加していくと思われます。

次回は,この会議の第2部『理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について』に焦点を当ててお話ししたいと思います。ちなみにこちらは養成校の今後のあり方などについて議論されています。

 

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