理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

スポンサーリンク

【理学療法士向け】学会抄録を作るポイント

 f:id:physicaltherapist-k-blog:20190219222205p:plain

以前の記事で,今年参加したい学会を紹介しました。これらの学会の演題登録期間はだいたい4月〜6月くらいだと思います。学会の演題登録は抄録の形で登録します。

www.physicaltherapist-k.com

 

今回は,学会抄録を作るうえでどのような部分を大事にしなければならないかをお話ししたいと思います。

基本的な構成

抄録の基本的な構成ですが,はじめに(+目的),方法,結果,考察(+結論)の4部構成に,倫理的配慮を加えた合計5部構成になっています。字数は学会によって異なりますが,医学系の学会は字数少なめ(500〜700文字くらい),理学療法系の学会は字数(1,200〜1,500文字)多めになっています。

それでは各項目ごとに作成するポイントをお話しして行きたいと思います。

 

はじめに,目的

この部分で書区べきことは以下の3点です。

  1. 研究テーマの重要性
  2. 研究テーマについて明らかになっていること・いないこと
  3. 研究の目的

テーマの重要性ですが,今回行った研究が,学術的・社会的に意義のあることを示す必要があります。次に,テーマについて明らかになっていること・いないことですが,この研究の新規性・独創性をアピールするポイントになります。そのうえで,目的として,この研究の目的(何を明らかにしたいのか)を明確にします。

この部分で評価されるのは,上記の1〜3の流れが論理的に書かれていて矛盾がないかですので,しっかりと確認しておきましょう。

 

方法

この部分では,文字通り研究の方法を記載します。この部分で評価されるのは,目的で書かれている明らかにしたいものを検証するために妥当な方法が選択されているか,また,使用した統計手法は間違っていないかです。

方法の記載としての理想はこの部分を読めば,他の研究者も同じ研究ができるレベルで研究方法が記載されていることです。したがって,文字数が許すのであれば,研究内容条件や使用した研究機器やソフトといった研究環境まで書ければなお良いと思います。

 

結果

この部分では,今回の研究から得られた結果を記載します。基本的には有意差のあった部分を中心に記載しますが,有意差がなかった部分も考察に必要なのであればここで記載します。p値の記載方法ですが,以前はp<0.05またはp<0.01と記載することが多かったですが,最近はp=0.001のように少数第3〜4位くらいまで記載することも増えてきています。

この部分で評価されるのは,考察をするうえで結果が過不足なく記載されているかです。したがって,結果と考察はセットで評価されると考えていいと思います。

 

考察

この部分では,研究で得られた結果から何が言えるのかを記載します。この部分で最も気をつけなければいけないのは論理の飛躍です。

論理の飛躍として最も多いのは,有意差はなかったのに差があったような記載をすることです。例えば,有意差はなかったものの,値だけを見れば増加している場合に『有意差はなかったが増加する傾向があった』とし,その後の考察を,値が増加した前提で組み立てているというものです。一見間違っていないようにも見えますが,有意差がなかった時点で,増加したかしていないか分からないので前提が間違っているということになります。

したがって,得られた結果から言えることを正確にかつ論理的に記載することが重要です。文字数に余裕があれば先行研究を引用してもいいかもしれません。

最後に研究のまとめと可能であれば今後の展望で締めるという形になります。

 

倫理的配慮

この部分では,今回の研究が倫理審査委員会の承認を得ていること(承認番号があればなお良い),研究対象者にどのように説明して同意を得たかを記載します。

最近は倫理的配慮の記載はほぼ必須となっていますので,記載忘れのないように注意してください。

 

最後に

抄録全体を通してのポイントは,はじめに〜考察までの流れが論理的に矛盾なく書けているかです。したがって,作ったら,必ず自分以外の誰かに読んでもらって確認しましょう。作った自分は研究のことはよく分かっているので,記載は不十分でも理解できてしまうので,不足に気がつかないことが多いです。なので,できればあまり自分の研究に関わっていない人に確認を頼むのをお勧めします。

 

まとめ

今回は学会抄録を作るポイントをお話ししました。基本的な流れをおさえつつ,論理的に矛盾のないものが作れればまずリジェクトされる事はないと思いますので,どんどん研究していろんな学会で発表していただければと思います。

 

 

 

スポンサーリンク