理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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関節パワーとは

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理学療法にとって動作分析は非常に重要です。人の身体を動かすためには,必ずどこからか力をもらわなければなりません。したがって,動作分析を行ううえで,力学的すなわちバイオメカニクスの知識は必須になります。

バイオメカニクスに関しては,重心,床反力,関節モーメントといった用語はかなり周知されてきているのではと感じます。しかしながら,関節パワーはまだ理解できていない人も多いと思います。そこで今回は,関節パワーについてまとめたいと思います。

 

確認事項

関節パワーを理解するためには,内的関節モーメントを知る必要があります。モーメントとは,物体を回転させる力のことで,トルクとも呼ばれます。

立位や歩行の際,人体には床反力という力が作用しています。床反力による関節モーメントに対して身体を釣り合わせるために,筋張力による関節モーメントが発揮されています。この床反力によるモーメントは身体外部から作用しているので外部関節モーメント,筋張力によるモーメントは身体内部から作用しているので,内部関節モーメントと呼ばれます。

したがって,特定の姿勢・動作時に働いている筋群を推定するためには,内部関節モーメントをみます。したがって,内部膝関節伸展モーメントが作用しているとは,膝関節伸展筋群が働いているということになります。

 

関節パワーとは

関節パワーとは,関節モーメントパワーとも呼ばれ,関節モーメントと関節の角速度の積で求められます。角速度とは,単位時間に関節がどちらに何度動いたかを示す指標で,単位としては°/秒,ラジアン/秒(←こっちの方が標準)で表現されます。この関節パワーから何が言えるのかというと,その瞬間に筋が求心性収縮をしているか遠心性収縮をしているかが判別できます。

例えば,内的膝関節伸展モーメントが作用している(膝関節伸展筋群が働いている)時に,伸展方向の角速度が働いている(関節は伸展方向に動いている)場合は,膝関節伸展筋群は求心性収縮していることになります。反対に屈曲方向の角速度が働いている(関節は屈曲方向に動いている)場合は,膝関節伸展筋群は遠心性収縮していることになります。

 

どのように値をみるのか

値をみるときは,まずプラスかマイナスかをみます。基本的には,値がプラスであれば求心性,マイナスであれば遠心性収縮を示します。また,値の大きさは,単位時間当たりの仕事の大きさを示します。ちなみに仕事とは,物体に力を加えて力を加えた方向に動かすことをいい,加えた力と動いた距離の積で示されます。なので,関節でいう仕事とは,筋張力と関節が動いた角度の積で示されます。

 

まとめ

関節パワーはなかなか解釈が難しいですが,値の正負で求心性,遠心性の判別,値の大きさで関節における仕事の大きさを示しているものになります。

学会発表,論文でも時々出てくる指標なので,数値の解釈ができると理解も深まると思いますので,ぜひ知っていただければと思います。

 

基礎バイオメカニクス第2版

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