理学療法アカデミア

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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指定規則改定にともなう臨場実習施設・指導者にかかわること

1999年以来,18年ぶりに理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則(以下,指定規則)が改定されます。

今回は,それにともない,臨床実習施設,臨床実習指導者にかかわることでいくつか変更がありましたので紹介したいと思います。

 

臨床実習における要件

今回の改定で,臨床実習における要件として,「実習時間の3分の2以上は薬局,助産所を除く医療提供施設において行うこと,ただし医療提供施設における実習の2分の1以上は病院又は診療所で行うこと,訪問リハビリテーション又は通所リハビリテーションに関する実習を1単位以上行うこと」が規定されました。

ポイントとしては,訪問・通所リハでも実習が必須化されたことです。地域包括ケアシステムが常識となっている今,やはり実習においても地域リハに触れることの重要性が改めてフォーカスされた形になったと思います。

 

臨床実習施設の要件

新たな努力目標として,以下の要件を満たす実習施設の設置が求められました。

  • 養成施設の付属実習施設であること,又は契約により付属実習施設と同様の連携が図られていること。
  • 実習生の更衣室および休憩室が準備されているとともに,実習効果を高めるための討議質が設けられていること。
  • 実習生が閲覧可能な専門図書(電子書籍でも可)を有しており,実習生が学修する環境が整備されていること。
  • 原則として養成施設に近接していること。
  • 理学療法士,作業療法士の継続的な教育が計画的に実施されていること。
  • 複数の症例が経験でき,診療参加型による臨床実習が行われていること。
  • 臨床実習指導者のうち1人は,厚生労働省が指定した専任教員養成講習会(仮称)を修了した者,またはこれと同等以上の知識および経験を有する者であること。

養成施設の付属実習施設は,専門学校にはなかなか厳しい条件な気がします。まあ同様の連携でも可なのが救いかなと思います。

学生の更衣室,休憩室,専門図書などは学生が実習を行いやすい環境を作るという意味なのだと思います。これが『学生専用』という意味なのか,『職員と共用でも可』という意味なのかで設置難度は大きく変わるのではと思います。

専任教員養成講習会修了者もハードルが高いですね,『同等以上の知識と経験』については後述します。

 

臨床実習指導者の要件

臨床実習指導者の要件は今までは「理学療法に関し相当の経験を有し,そのうち少なくとも1人は3年以上業務に従事した者であること」でした。今回の改定で,必要な経験年数が5年以上へ増加し,臨床実習指導者講習会受講が必須条件となりました。また,今回の改定で少なくとも1人はという文言が無くなったため,受け入れ学生数分の実習指導者確保が必要となったようです。

 

臨床実習指導者講習会とは

臨床実習指導者講習会とは,理学療法士においては以下の2つが該当します。

  • 厚生労働省が指定した臨床実習指導者講習会
  • 厚生労働省および公益社団法人医療研修推進財団が実施する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成施設教員等講習会

臨床実習指導者講習会は,今年に入って少しずつ実施され始めているようで内容等の詳細は不明ですが,2日間で行われるもののようです。

養成施設教員等講習会は,養成施設の専任教員となるための講習会ですが,17単位(360時間)以上が必須となるため,医療機関のスタッフが受講するのは現実的ではないと思います。

前述の実習施設要件でもありました。『同様の知識と経験』ですが,養成施設教員等講習会受講と同等のものとして以下の条件が挙げられています。

  • 理学療法士として5年以上業務に従事した者で,大学において教育の本質・目的・心身の発達と学修の過程,教育の方法・技術及び教科教育法に関する科目(以下,「教育に関する科目」)のうちから,合計4単位以上を履修して卒業した者。
  • 理学療法士として3年以上業務に従事した者で,大学院において教育に関する科目を履修した者。

この教育に関する科目というのが具体的に何を指すのかが明確でないのでなんとも言えませんが,何れにしても専門学校卒者には改めて大学・大学院に入るわけにもいかないので難しい条件だと思います。

 

まとめ

今回は,指定規則改定にともなう臨床実習施設・指導者の要件について紹介しました。ただし,この規定が該当するのは,規則適用後に新規で登録する実習施設・指導者についての条件であり,すでに登録されている施設・指導者が改めてこの要件を満たさなければならないわけではないようです。

認定理学療法士の制度が変わる時も思ったのですが,新規登録のみ大変な思いをする制度は質の担保という意味ではあまりよろしく無い気がします。しかしながら『実習施設に関しては要件を満たさないので施設の登録から外します』となると臨床実習教育が破綻してしまうので,そこややむを得ないかなあと思います。

まあこれから実習に関しても新しい流れがどんどんできてくると思いますので今後もその流れをきちんと見極めた上で学生指導をしていきたいと思います。

 

 

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