理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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産業理学療法 ーまずは自施設の腰痛予防からー

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こんばんは。理学療法士Kです。

 

今回は、産業理学療法についてお話しさせて頂こうと思います。

今まで私自身は、産業理学療法に関して全くの素人でしたが、先日、産業理学療法の研修会を受講し、少しだけでも触れることができたので、復習もかねて記事にしました。

 

まず、産業理学療法についてのイメージですが、受講前は、一般企業などで体操指導等を行って、障害予防をメインに扱うというイメージでした。

そこで、講師の先生に

 

産業部門の理学療法士として、どのように企業などに入っていけばいいですか?

 

という質問をしました。

 

先生の解答は、

 

まずは自分の勤務している施設の腰痛予防から始めましょう

 

ということでした。

 

平成28年度業務上疾病状況において、保健衛生業の腰痛割合は、なんと約83%でした!これは全業種の中でトップです。

他に運輸交通業、製造業、貨物取扱業など、腰への負担が大きそうな業種はたくさんあったのですが、それらをおさえて私たちが行う保健衛生業がトップというのには正直驚きました。

 

その理由として、

 

・少しのミスが命に関わることがある。

・人を対象とするためコントロールしにくい。

・人間関係の問題も多い。

・多くの負荷がかかる作業が存在する。

など

 

があります。したがって、『保健衛生業の分野に積極的にかかわり、腰痛予防ができればその他の業種でも活躍できる』とのことでした。

また、求められる能力として、『現場の環境に柔軟に対応する能力』が重要と感じました。

 

色々な業種の作業現場を見たとき、理学療法士の視点から見ると、細かい動作分析は無くても腰痛が発生しそうな状況は分かるそうです(中腰姿勢など)。

重要なのは、その状況に対して、『その現場において、現実的に実行可能(環境面、コスト面等を含めて)なプランを提供する』ことです。

 

私たち理学療法士は患者さんに対して、1対1で治療する際に、プランを提案することには慣れていますが、職場という多くの人が関わる環境に対して、しかも実行可能性を考慮したうえでのプランを提供するのには慣れていないと思います。

産業理学療法においては、そのようなプランニングが求められるとのことで、柔軟性やアイデア力などが重要であることが分かりました。

 

また、予防を目的としているため、対象者が健常者ですので、運動を指導するのにも難渋するそうです。

健常者で仕事に従事している為、『基本的に、今すぐ何か困っている訳ではないので、運動が大切なことはわかっているが、現段階での必要性を感じていない』ことから、指導をしても運動を行ってくれないことが多いとのことです。

 

そのような方に対しては、『プランを複数用意したうえで、本人に選択させて、選択したプランをさも一番重要なもののように話す』、『一番反応の良かった人、または、過去にうまくいった人に話をしてもらう』といった方法をとるとのことでした。

 

このように、産業理学療法においては、医療機関での患者に対するリハビリテーションとは少し異なるスキルが求められるようです。しかし、これらのスキルは、患者さんと上手くコミュニケーションをとる上でも必要なものであると思いますので、ぜひ習得できたらと思います。

 

ちなみに日本理学療法士学会において、産業理学療法は、まだ学会として認定はされておらず、産業理学療法部門として活動していますが、今後学会へ移行していく予定であるそうです。

 

産業理学療法部門

 

また、2018年度まででひとまず終了になるそうですが、腰痛予防講師育成講習会STEP1,STEP2も行われていますので、興味のある方はぜひ受講してみてはいかがでしょうか。

 

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