理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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股関節累積負荷と変形性股関節症進行との関連- Daily cumulative hip moment is associated with radiographic progression of secondary hip osteoarthritis -

こんばんは。理学療法士Kです。

 

2017年3月に、京都大学の建内宏重先生の研究発表によって『股関節累積負荷と変形性股関節症進行との関連』が明らかになりました。これまで変形性膝関節症の進行には、外的膝関節内反モーメントというある程度コンセンサスが得られている要因がありましたが、変形性股関節症にはそれがありませんでした。

 

今回、建内先生らは、変形性股関節の進行に関わる要因を明らかにしました。

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論文のタイトルは『Daily cumulative hip moment is associated with radiographic

progression of secondary hip osteoarthritis』です。直訳すると、『日常の累積された股関節モーメントは、二次性変形性股関節症のレントゲン画像上の進行と関連する』となります。

 

2017年にOsteoarthritis and Cartilageという雑誌に発表された論文です。 ちなみのこの雑誌ですが、インパクトファクターは2017年で4.742と高い数値です。

 

今回は、この論文発表されている研究がどのように行われたかについて紹介したいと思います。

 

対象者

二次性変形性股関節症患者53名が対象者でした。

対象者をベースライン期と、12か月後の股関節裂隙の減少度合いで、進行群と非進行群に分類した。

股関節裂隙が0.5mmより多かった者を進行群、少なかった者を非進行群としました。

 

歩行データ

三次元動作解析装置を用いて、歩行中の股関節モーメントを算出しました。また、万歩計を用いて歩数を計測しました。

 

Daily cumulative hip moment(日常の累積した股関節モーメント:股関節累積負荷)

股関節モーメントの力積×1日の歩数で算出しています。

 

 

統計学的手法

変形性股関節の進行の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行っています。

独立変数はたくさんありますので実際に論文をご参照ください。

 

結果

前額面における股関節累積負荷が、変形性股関節の進行に有意に関連する要因であることが示されました(オッズ比1.34、95%信頼区間1.06-1.70、P=0.013)。

 

前額面ということは、内的股関節外転モーメント×歩数の結果ですね。ちなみに内的股関節外転モーメントが発生するということは、股関節外転筋が発揮されているということです。股関節外転モーメントは立脚期を通して作用しています。

 

したがって、変形性股関節の進行を遅らせるためには、歩容の変化(内的股関節外転モーメントを減少させる)または活動量の管理が必要であることが示されました。

 

変形性股関節症の進行予防におけるエビデンスはまだ不十分な状況ですが、この研究がそのヒントの一つになってくると思います。

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