理学療法士Kのブログ

博士課程所属の大学院生兼理学療法士が日々の学びや趣味について語るブログです。理学療法の研究やツール、理学療法関連の書籍についての紹介等を行っています。

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新生涯学習制度①研修理学療法士プログラム

こんにちは。理学療法士Kです。

 

前回、新生涯学習制度についてのおおまかなお話をさせていただきました。新制度において、以下の3つのプログラムが開始されます。

  • 研修理学療法士プログラム
  • 登録理学療法士プログラム
  • 認定理学療法士プログラム

今回からは、各プログラムについて少し細かく話をしようと思います。まずはじめに、『研修理学療法士プログラム』の紹介をします。

 

研修理学療法士プログラムの特徴

研修理学療法士プログラムとは、JPTA NEWS No.310によると、

理学療法士として、最低限必要な態度面、知識技術面、管理面での能力を備えることを目標に現行の新人教育プログラムの時間数と内容を見直したものである』

とされています。

 

ちなみに名称が『新人→研修理学療法士』となっているのは、卒後に新プロを修了しなかった方が、後から新たに履修しようとしたときに、『新人』という名称が弊害になっていることから医師における『研修医』を参考にして名称変更を行ったとのことです。

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『JPTA NEWS No.309』引用

この図にあるように、現行の新プロの1年間(13時間)という履修時間が、2年間(91.5時間、うち座学研修43.5時間、臨床研修48時間)と大幅に増加しています。

 

研修理学療法士プログラムの内容

研修理学療法士プログラムの具体的な内容としては以下のようになります。

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A1~A5の座学研修に関しては、全科目e-Learningでの受講が可能となっています。これは、勤務の都合や会場アクセスの関係で参加できていなかった方に受講しやすくするための対応とのことです。

 

E1、E2の実地研修 (OJT) については、step1までは、どのタイミングでも受講可能ですが、step2は他の全プログラム受講後にしか受講できないとのことです。

OJTは原則自施設で行いますが、様々な理由で困難であれば、外部施設での研修も可能となっています。

 

ちなみに全プログラム受講料は現行の新プロと同様に無料となっています。

研修理学療法プログラムについての考察

さて、大幅な変更が加えられて開始される研修理学療法士プログラムですが、果たしてうまくいくでしょうか。

 

カリキュラムを見てみると、確かに必要な要素は一通りそろっています。私たちが新プロを取得したときに受講した内容と比較しても、かなり充実していると思います。私自身、現在10年目ですが、受講してみたいという内容もいくつかはありました。

 

しかし、やはり大きな壁となっているのは『OJT』ですね。以前の新プロで症例検討が大きな壁となって取得率の低下につながったように、OJTも取得率の低下につながってくるのではと思います。

 

そもそも自施設で新人研修を行っているので、別でOJTといわれたところで、おそらく、『施設内の新人研修をOJTの部分に当てはめて、受講したとする』施設がほとんどになるのではないかと予想されます。まあ、実際に受講内容や基準がまだはっきりしないのであくまで予想ですが…

 

また、卒後に修了しなかった方の取得にもOJTが大きな弊害となっていると思います。例えば5年目、10年目といった経験者がいまさらOJTと言われて、新人と一緒に研修すると思いますか?

ましてや、今まで新プロ未取得でも何の問題もなかったのにとても取得しなおすとは思えません。

 

あとは、未修了のデメリットが全くないのが一番の問題であると思います。協会としては、今後、このようなプログラムを診療報酬に反映させたいとの意向があるようです。実現可能かどうかは別として(おそらくほぼ不可能とは思いますが…)、『研修理学療法士は診療報酬が下がる』や、『研修理学療法士はできる業務に制限がかかる』くらいのデメリットがなければ、積極的に取得を勧める要因とはならないでしょう。

 

このように問題点もある研修理学療法士プログラムですが、新卒者においてはそれなりに役に立つプログラムとなっているのではないでしょうか。

ただし、大幅な時間増から、受講、修了の負担は間違いなく今より増えます。したがって、現在、新プロ未取得の方は平成32年度までの修了を強くお勧めします。

現行の新プロは、以前のように症例検討の発表は義務づけられていないので、それが原因で未修了であった方は、今が一番簡単に取得できる時期だと思います。

 

平成33年4月からの開始予定で、まだ情報も不十分な状況ですので、推移を見守っていきたいと思います。

 

 

 

 

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